皆さんこんばんは。6月のうちに投稿しようという気持ちで、アリバイ的な月末の記事になります。
こちらの講師の仕事は3学期制の一学期期末(成績処理業務がある)に差し掛かるころで、自分の仕事のスケジュールの中で緊張感や作業のペースをキープすることと、できる作業の量と仕上げの質について見直す作業に苦労してしまいました。
遠隔授業で当然ですが君たちのカリキュラムもこちらでは決定できないなか、こんな状況の自分がどうやって伝えられるか・どうやったら入試得点を最大化できるかでかなり悩みました。【プチ解説】シリーズを掲載するのも、そうした最大化のための改善の一つです。──授業に合せて解説すると、動画が時間的に追いつかなくなる。かといって難解な動画授業をゆっくりリリースしていても、早い日々の添削に悪慣れして、あっさりしかチェックしなくなった数割の人たちの処理能力では、いくら私が動画を丁寧に録画したところで、学習理解することはむずかしいと思います。
【プチ解説】は多少は役に立ちましたか? 解答の中身の違いで青木先生にはいずれにせよ迷惑を掛けてしまうけれども、まだ皆さんは「ポテンシャルとしての『仕上がり』・大器晩成の『晩成』」の段階ではないと思うので(昨年の高3よりは受験に向けたレベルアップの度合いは高いが、国語力全体としてはまだまだ伸びるし、何より言語的論理力はまだ一流校のそれより遠く、合格のためには鍛えなければならない)、だから「諦め方面への割り切り」になるような真似はして欲しくないのが切なる願いなのです。
事実として、入試本試験の作題に携わる東大の先生方の考えていること、問いかけようとしている水準は難しいのです。ザルのような理解力に下がってしまえば、微妙な点数しか取れなくなるのは間違いありません(作題に関わったとおぼしき現代哲学の先生に、前期教養で「所詮君たちはあの水準でしか書けない人たちだからね」とディスられたお話はしましたっけ?)。【プチ解説】で半分くらいの授業課題に必要な横やりを入れつつ(青木先生ごめんなさい)、音声解説がないと伝わらない難易度の教材には動画による演習授業をやっていくというかたちでうまく割り振っていけたらいいなと思います。
いろいろ考えたけれど、君たちの顔を思い出しながら、いちばん確実に実力に届くサポートをするとしたら、このやりかたになるのだろうと思っています。
武富の「チート技」(おどけて言っているのであって、ズルいとかふざけているとか、本気で思っているわけではありません)というのは、談話分析という認知言語学や言語情報処理の一つのジャンルに依存したもので、東大では文学部の学部の授業でその断片的なノウハウを学びました。現在の言語情報処理はテキストの確率分析を数学的に割と細かく処理して、処理の方向性は機械に割り出してもらうことが流行としては多いかもしれませんが、それよりも少し前、人間の認識の中で文章をどう要約できるかということを考える少し古い研究アプローチにヒントを得たものです(学部で受けた授業の半可通を、受験のテクニックねじ曲げたものに過ぎませんけど)。