お茶大の解決編(問5、問6)です。
この文章、〈スマホ持ってる人に公衆電話を使わせまいと意地悪してドヤ顔しているような滑稽さ〉があります。居心地が悪いのは読者が読めていないからではないくて、筆者の論の建て付けが悪いから。四の五の言ってる筆者の結論掴んでひっくり返してやらないと、読んでいるこっちの時間と精神がやられてしまうのです。
これだけ筆者がやりたいことと筆者自身の論の組み立てが食い違っている文章も珍しいですが、そのもどかしさを読むのが批判的思考、ロジカルシンキングで、近年の傾向なわけです。
この文章は、筆者の論の立て方自体に検証の目を向けている大学の先生が作問したものだと思います。aさんもその辺の違和感を感じて相談してくれたんじゃないかなと思います。
この記事は正月にちゃっちゃと終えるつもりだったのですが、特に最後に意見を述べさせる大学の入試問題の場合、突っ込みどころ・異論の余地が多くて、思いのほか時間がかかってしまいました。
正直、素直に論文を読み解く素質を求めている東大や京大の出題傾向の方が、〝見えた!〟の状況に入ったあとはハズしている感覚もなく黙々と解答を書くだけなので楽なんですよね。
この実践問題で、「大学の先生は日ごろ学部生を相手しているから、もっと難しい文章を知っていてやヤヤコシイ勘所がわかったうえで、手加減して入試を作っているんだ」ということを思い知ったうえで、本番を迎えましょう。
【直前対策演習】
2019年度お茶の水女子大学第1問
船木亨『現代思想講義―――人間の終焉と近未来社会のゆくえ』④【解答編】:
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