随筆0 本試験の直近の傾向(あとで加筆します)

【文系第4問(随筆)駿台実戦対策】
ある程度技術を習得した人に向けて書いています。

東大本試験の第4問は、例年であれば随筆です。
論説文(明確な論理展開で構成された文章)でないものが出されると考えればよいでしょう。
基本的には、過去15年は「ex(回想、引用、実体験)の多い随筆」が基本的なパターンでした。
この場合は、複数のexとの間に共通する内容やキーワードを先に見つけてしまえば、それが論説文のときよりももっとダイレクトに文章のつながり・伏線を示すので、2行記述の4つの設問のうち、どれが内容的に共通・呼応・対比するかを見つければ勝ちです。この段階で得点は過半数を超え、合格圏内にあっさり入ることでしょう。
逆にいえば、exすら知らない状態で本試験を受験することは無謀と言うほかありません。

ただ、本試験の直近の傾向はというと、2017年度が幸田文のただのエッセイ(いまは亡き父親の思い出というだけの内容が複数の設問の共通要素になっていて、ファザコン女子なら余裕で解ける)、2018年度入試は教育論について引用と内容に一見つながりが見えない、明らかに舌足らずの文章(ex前後をまとめようとしても、exどうしを比べようにも、話が途切れ途切れで基本類推するしかない)でした。関東の外から女子をなんとか募集しようという「すべての女性が輝く社会(棒読み)」という政府の方針に忖度したり、文学的素養をほとんど求めない断片的な文章であったりと、作題者の層が変わったのか「模擬試験がマネするニセ『第4問』」との差が縮まりつつあるように思います。

そこで、模擬試験、とくに駿台での第4問対策になるのですが、
・本試験よりも〈 r 象徴的な表現〉に頼る度合いの高い文章が出題される
(→すべての〈r〉間の関連性から伏線を読み、関連・代入・互除させて内容を読み取る)
・本試験よりも「繰り返し表現」に頼る度合いの高い文章が出題される
(繰り返し表現のなかから強調された場面内のポイントや、伏線関係(離れたキーワードの繰り返し)を読み取る)
・本試験ではほとんど見られない「学術的な要素が一切ない文章」(文化人のたんなる趣味や、妄想・空想を語るもの)が頻繁に出題される(→内容に乏しいだけで、いつものex、〈r〉、繰り返し表現などの解き方で解ける。)
・本試験では2000年以降2,3度しか出題されていない「純粋な芸術論(論説文)」が頻繁に出題される
(→理屈っぽい第1問論説文と同じ解き方で解ける。ただ文系専門のテーマの難しさのなかで論拠も押えなければならないので、けっこう手際よく解かなければよい点数にはならない)
といった傾向があります。

本試験がこれまでの傾向を保ってくれるのならば、exで読み解く比重の高さが京都大学の随筆とは明確に違いますから、特徴的な傾向としてしっかりやりこんでおくべきです。また逆に、本試験が模試の形式に寄せてくるのであれば、皆さんは〈r〉の解き方や、繰り返し表現をきっかけにした場面の読み取りかたや伏線の読み


コメントは受け付けていません。