この文章を読み解くさいの基本的なヒントは、「
一見するところ、ごく当たり前のとても単純な話ですね。
概念図と現実の位置関係を図形的に重ねてはいけない。
その虚をスキを突いてくるような出題が、
「東大実践問題集第5回 篠原雅武『空間について』:
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【プチ解説】東大実戦_第1問 篠原雅武『空間のために』
今回はもうこれまでに作って配布したことのあるプリントをPDFとして配信してしまいます。君たちが高1のころに2月の直前授業で高3東大クラスで行った演習の一部になります。
高3の受験瀬戸際の2月の教材ということで、二年前の私も手を抜くことは考えてなどいなかったのですが、この解説PDFでは「Now」「We」「Must」を有効な戦略として推しながら、冒頭段落と結論部との一貫性を説明していますね。他学年にリリーフで出るかぎりは、あるていど即効性の高い戦略で乗り切らせるしかないからまずはこれしかなかったのですが、君たちに関しては違いますよ。もっと簡単・確実に行きましょう。
① exの関連性から冒頭と結論部との間に一貫性を確認してください。
② 冒頭と結論部それぞれにある「場合分け・仮定条件」もしくは「定義・前提条件」のうち、同一のものを集約してください。
③ 筆者自身の論旨を確認してください。ex1・2(夢の国・夢の渋谷)もex4・5(経済成長期限定の現代思想)も同様にコケにされていることを確認してください。
④ 残ったわずかな部分だけが、筆者による論旨です。そういう目で「『均質化』の外部」というフレーズを見てください。
ここまでやれば基本は終了です。問2問3と問5百二十字が筆者側の主張(本当はこうなのに、奴ら妄想にかかってるよ)で、問1問4はその(妄想)についての内容説明になるかと思います。
先の記事のPDFには挿絵として説明を入れましたが、江戸という日本の計画都市は、まずは上水の水路によって、次は国鉄の延伸によって、すごく単純に「中心から外へ」という開発モデルで発展した経緯があります。関西でいえば私鉄による開発計画が、私鉄沿線に豊かな住宅地を形成していきました。奈良県のピアノ普及率全国一位などはそうした大阪の衛星都市・ベッドタウンとしての側面も大きいでしょうね。
【本文】東大実戦_第1問 篠原雅武『空間のために』軽量版 ※前回配信したもの
この文章を解くうえでは、そうした「中心から外部への開発モデル」という発想自体への脱却=「別に距離とか関係ないよ」という発想の転換こそが、「『均質化』の外部」というキーワードで表されている内容であることに気付くことがまず何より大事です。
そして皆さんには、さらにそれを「自分で意識しながら」「相手に伝わるように」自分の語彙力や論理的な言い回しを鍛えていく練習を『いま』してほしい、と心から願っています。これは直前冬期講習でやるのではおそすぎるし、また高2でやれる内容でもなかったのです。
だからこそ、この第1回東大オープン前の期間までが、何が何でも私の責任の及ぶ領域であると意地を張らせてもらってきているわけです。
本当は解答もわかりやすく書き直して、もう少し丁寧に記事にしたいところなのですが、「理屈っぽい近年の出題傾向」についての対策については完熟期にあるのだ、だから今やるべきなのだ、ということを牧村学年の一人でも多くの人に分かってもらうことがいま一番大切だと思います。ということで、この7月のタイミングで頑張ってやってみてください。よろしくお願いいたします。
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