ここでは、3年前の放課後特講で添削指導した卒業生の答案を紹介しながら、これまでの授業やこのオンライン講座で示してきた読解と解答の水準と比較してみたいと思います。記述のスキルの細かい仕上げなのでちゃんと読んでね。
〈r〉も極めた。PBL的出題でも歴代最高スコアを叩き出しましょう。
2010年度第1問 阪本俊生『ポスト・プライバシー』③(問4、5解答編):
・後出しの条件分岐、その先にある〈r〉を説明する
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いやぁ、まったくもってどうしようもないボリュームの解説になってしまいました。ブログは二月まで同じペースでやるんですけど、私の直感で必要と感じている傾向と対策はまさにこのあたりの出題傾向、記述難易度です。何度も推敲して書いてもややこしいところを、ここまで読んでもらえて本当にありがとうございます。
〈r〉が論理的な説明を省きつつ本文のテーマを示しているのだけれど、そもそもそこに至るまでの論理展開を分岐ⅱの最後まで追えている人がほとんどいない、というのが、まさに作題者によって綿密に計算された地獄絵図なのだなと私は思います。これまでに扱った2008年『反歴史論』の〈r 歴史というものの量的な重さ〉もまさに同じような難易度の飛躍でしたね。ロジカルシンキングや課題解決型学習というアプローチがそこに必ず盛り込まれるようになったのがこの時期からであり、読み解きと解答作成力記述力の両方で厳然たる得点差がつくようになったのでした。だからいまだに〝国語では差がつかない〟と平然と言い放つ先生を見ていると、トレーニングの場所としての教育現場の限界、敗北を私は感じるのです。せわしないNYGを離れたから言えるんだけどね。
私には及びもつかない、途方もないレベルで第一問の出題の難易度管理がなされていることを、センターを受験する前に実感してもらえるとありがたいなと思っています。私の傾向と対策が当たるかどうかは確率の問題なのですが、第一問の出題水準や出題のバリエーションが一定の品質で管理されていることは厳然たる事実です。そこに向けたトレーニングは君たちを絶対に裏切りません。
世代別人口比からすれば、君たちは就職難からだけは逃れられると思いますが、日本で暮らすかぎりはわりとディストピアな崩壊、瓦解が向こう十五年は続くと思います(※2017年度入試、伊藤徹の文章を参照のこと)。この講座で掲げている論説文を読み解く能力を高卒段階で身につけていることは、大学を卒業、修了するまでの各人の進路に大きく関わる思考力や判断力の基礎となることでしょう。
人生はシビアだけれど、「大学歴」でも、「ふわっとした地アタマの能力」でもなく、読解戦略とそのスキルが身についていること自体が財産だと思います。
2020年が皆さんにとって良いスタートの年となることを祈っています。