一日目 お疲れさまでした

 第1問、第4問ともにPBL型の発展的な出題、なおかつディスり文脈とまさかのはぐらかし(!)が連発するなかで〈r〉が多重化する文章を読まなければならないという〝蓋を開ければてんこ盛り〟な問題構成になっていました。今回の場合無策だと何も読めず書いたところで0点の勢い(百二十字記述でお情けをもらうのが関の山)なので、皆さんが何か書けたのだとしたら、そのままそれが平均層に対するアドバンテージになっていると思います。

 また、古文漢文は文章こそ例年並みとも言えるものの、全体像や関連性についての説明を直接的に問うような、これまた新傾向を反映した作題となっています。採点基準を易しめにするのでなければ、とんでもなく低い全体得点率の試験になってしまっている可能性があります。

 例年の水準の母集団であると仮定するとして、この国語の問題構成で明確な得点上のアドバンテージが上げられるのは全体の十分の一のトップ集団にとどまることでしょう。新傾向を重視しすぎていて、受験集団としての得点の中央値はグッと下に下がっているはずです。皆さんは実得点は低くても、ちゃんと対策をしてきたのであれば、上位3分の1集団には入れているはずです。

 ただ、今回は国語では高得点がしにくいと思われます。皆さんの得点のアドバンテージは、440点のうち理系で10点、文系で20点カツカツだと思います。数学の全体得点率次第ではありますが、数学が例年並みならば国語による点差は数学の1問を失ったダメージを相殺する程度になってしまいました。皆さんが数学で完答できている数から、数学の例年並みの大問の数を差し引いた数をよく確かめておきましょう。

 全科目総合で、上位3分の1に入るためには明日どう戦うべきなのか――気持ちをしっかり落ち着かせて、二日目の日程をしっかり頑張ってください。

 ディスりの解消や論拠の整序を必要とした本年度の概況解説は、明日の夜20時にこのブログで記事を公開します。それまでは、作題者の世知辛さがますます加速してきている東京大学の入学試験に対して前向きに打ち返していくようにしてください。


コメントは受け付けていません。